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印刷とプリントの違い

2020.01.15

印刷とプリントの違い

「印刷」と「プリント」は、一般的に同じものとして認識されています。実際、「プリント(print)」の日本語訳は「印刷」であるため、同じものを指すと考えられてもおかしくありません。
しかし、両者はそれぞれに特徴やメリット、デメリットがあり、印刷業界では明確に違った言葉として使い分けられています。

そこで今回は、「印刷」と「プリント」の違いやメリット、デメリットについて解説します。印刷業界に入職した人はもちろん、印刷会社に依頼を掛けようとしている人も知識として事前に理解しておきましょう。

印刷とプリントの違い

印刷とプリントは、主に「量」「コスト」「仕上がりのよさ」に違いがみられます。両者を比較した時の違いは以下のとおりです。

印刷 プリント
量とコスト 大量生産向き 少量生産向き
スピード プリントより時間がかかる 短時間で物を作成できる
仕上がりのよさ 細かいデータ分析により再限度が高い

製版の過程を省力出来るため、 再限度が低い

以上より印刷は、時間をかけてでも再限度が高い製品を大量生産したい場合に使用するのが適しており、プリントは、再限度は落ちるものの短時間で製品を生産したい場合に適していることがわかります。

印刷のメリット、デメリット

印刷のメリット、デメリットは以下のとおりです。

<メリット>
● 大量生産が可能のため、規模が大きい印刷物の受注が可能
● 再限度が高いため、仕上がりのよい製品を作成可能、依頼先の満足度を得られやすい

<デメリット>
● プリントに比べ時間がかかるため、迅速な製品作成に対応できない場合がある

大量生産が可能のため、規模が大きい印刷物の受注が可能

印刷は、PC内にある印刷データを分析し、それを製版に焼きつけ印刷する手法を取っています。そのため1度データを焼き付けてしまえば同じものを大量に印刷することが可能です。同じチラシや資料などを大量に配布する場合は、印刷を用いた方が適しており、全体的なコストパフォーマンスに関しても高くなる可能性があります。

再限度が高いため仕上がりのよい製品を作成可能で依頼先の満足度を得られやすい

印刷物をいくら大量生産できたとしても、送ったデータの再現性が高くないと、依頼先からの満足度は得るのは難しいかもしれません。
その点、印刷はデータの細部まで分析を行うため、データの再限度はかなり高いのです。再限度が高ければ高いほど、依頼先からの信用も得られ、今後の依頼継続にもつながるでしょう。

プリントに比べ時間がかかるため、迅速な製品作成に対応できない場合がある

印刷はプリントのように初版で作業工程を省略する方法を取らないため、作成時間はプリントより遅めです。そのため、急を要する迅速な事案に対応できないケースもあります。

プリントのメリット、デメリット

プリントのメリット、デメリットは以下のとおりです。

<メリット>
● 短時間で作成できることから、急を要する事案に対応可能
● 少量生産で回転率を稼げる

<デメリット>
● 製版工程を省略するため印刷と比べて再現性は低い

短時間で作成できることから、急を要する事案に対応可能

プリント最大のメリットは、なんといっても短時間で印刷が可能な点です。そのため、急な資料を増版することになった場合、印刷よりも迅速に対応できるのです。

少量生産で受注回転率を稼げる

プリントは印刷よりも作成する製品の部数は少ない傾向にあるため、1つの依頼にかかる時間は短くなります。そのため回転率を稼ぐことができ、さまざまな企業や個人の依頼を受注できます。

製版工程を省略するため印刷と比べて再現性は低い

プリントは製版工程を省くため、製品の再限度や仕上がりのよさは印刷よりやや劣ってしまいます。

印刷とプリントの特徴を理解して状況に合わせた使い分けをしよう

印刷とプリントは、それぞれに違った特徴があるため、得られるメリットやデメリットも異なります。今後、印刷物について依頼を掛ける際は、部数や納期、印刷物の再限度の必要性などを加味したうえで、印刷とプリントのどちらが適しているか1度考えるようにしましょう。

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